|
|
Album『WRISE』リリースおめでとうございます。初の音源リリースとなるわけですが、率直な今の気持ちを教えてください。 |
ありがとうございます。 自分の描いていたイメージがひとつの形になり、
とても嬉しいです。
また、その過程でご協力頂いた方々に心から感謝しております。
そして、ここから新たなスタートを切ることになるので、
この先がとても楽しみです。 |
札幌を中心にDJとして活動してます。 また、アーティストとのコラボレーションライブを 行う事もあります。 |
DJにもいろいろなプレイスタイルがあると思うのですが、DJするときのこだわりだったり、気をつけてる事などありますか? |
「感情を出すこと」だと思います。
例えば、ギタリストやドラマーがLIVEで感情を露にしたプレイをするような。
そういった「変化」をつけるようにしています。
そうした意味で、LIVEではスクラッチやエフェクトを多用します。
|

最近LapTopでDJをされる方が増えてますが、
TURGETさんはどういうセットを組まれてますか?? |
現在は、ターンテーブル×2、
ミキサーにエフェクターをインサートするというのが基本的なセットで、
ごく稀にCDJを加える事もあります。
ずっとレコードでDJをしてきたのですが、
ロングセットになると量も増え、
現場に運ぶのが大変なので、 そろそろSCRATCH LIVEを
導入しようと思ってます。
操作的にも、盤でプレイするのが自分に一番合っていると思うので。 |
数えたことがないのではっきりとはわからないのですが、
7inch, 12inch合わせて少なくとも2000枚はあると思います。
現在も増え続けています。
あらゆるジャンルを掘りますが、
ライブラリー音源や映画のサウンドトラックが好きで、よく買います。 |

下の名前が「タケト」というのですが、 英語の「target」と
響きが似ているので、 少しスペルを変えて「TURGET」にしました。
字数の少なさと、「T」から始まり「T」で終わるという点が、
ビジュアルバランス的にいいかなと。
|
今回のAlbumはHIPHOPやAbstract、Noiseといった要素が
ベースとなっていますね? |
はい、ビートに関してはHIPHOPの要素が強いです。
自身のバックグラウンドにHIPHOPが強く存在していますので、
自分の表現にもそれが現れていると思います。
ただ、アルバムを通して全て同じビート感にはしたくなかったので、
"INFINITY"や"EXIT"といった、ビートレスのSKIT的な曲だったり、
"FEARLESS FEET"の、ドラムとはまた違った硬質なビートも作りました。
ビートの上にのせる音に関しては、
両極にあるようなものを両方取り入れたいという考えが
制作を始める段階からありました。
例えば、ピアノやローズのような、角がなく丸い、温度のある音。
一方で、無機質でギザギザしていて触ると痛そうな、Noize音。
そういった「触感」や「温度感」を出したかったです。
|
なるほど、確かに。そういう意味でのリアル感は確かに感じられました。さらにその中に「空気感」も感じられるのですが。 |
そう言って頂けるのはとても嬉しいです。 制作の段階で一つ一つの曲に、
自分なりのコンセプトやイメージだったり、
現実とは別の世界のようなものが頭の中にあり、
それを表現しようとしているので、 その結果かもしれません。 |
横の広がりもよく表現されてると思うのですが、
何か工夫された事などありますか? |
頭にあるイメージや世界は3次元の空間なので、 確かに「縦」と「横」と
「奥行き」の広がりや、 「時間の経過」を意識しながら、
ドラムをはじめ、元の音にそれぞれかなり手を加えてます。
音数が多い曲に関しては、音同士のバランス具合もあるので、
その調整と、
音と頭の中のイメージが限りなく一致するところまで 持っていくのに、
最も時間を要しました。 |
メインセットは、 PC:mac、ソフト:Ableton Live8、
ドラムマシン・サンプラー:MPC5000です。
今回のアルバムに関しては、
プリインストールされている音や、
サンプリングして細かくチョップした音にCOMPを幾つも重ねたり、
ピッチを変えたり、リバースしたりして、
自分のイメージする音を一つ一つ作り上げていき、曲にしていきました。
また、ベースやピアノ、Key、ギターに関しては、
自分でフレーズを考え、録音したものが多いです。
|
『WRISE』で表現したかった事、伝えたかった事は? |
「強く生きていかなければならない」という思いが、
制作を始める時から常に頭にありまして、
特に3.11の震災以降、
自分の人生の未来だったり、
残された時間をどう生きるか、 という事をとても考えるようになりました。
その為には、現実を受け止めなければならなくて、 その結果、
必ず困難が立ちはだかり、 しかし、
それを乗り越えて前に進まなければならない。
自分の好きな音楽を続ける為にも、 まず、生きなければならない。
そこからこのアルバムは作られたと思います。 |
『FEARLESS FEET』=恐れなき前進という意味の曲がありますが、この曲にはやはりそういった思いが込められているんですか? |
はい。 音の質感、スケール感、この曲を後ろに置いた理由も含めて、 このアルバムを象徴する曲になっていると思います。 |
今回のジャケットのドローイングは自分で描かれたんですよね? |
はい。 アルバムジャケットに加え、盤のデザイン、
TURGETのロゴも描きました。 音作りの段階で、アルバムジャケットの
イメージがある程度浮かんでおり、
実際に紙の上で手を動かした結果、
このアルバムジャケットのドローイングになりました。
|

ドローイングには筆を使っていますよね?書道をやられてたとか??
また、やはり筆を使う事にこだわりがあるのですか? |
書道は習っていたわけではないのですが好きで、
小さい頃は賞に選出されたりとかしてました(笑)
当時は字しか書いてなかったのですが、
「これでアートワークを描いてみよう」と、何気なく筆を選びました。
個人的に、筆ってすごく万能なツールだと思うんです。
筆先だけを使えば、ボールペンより細い線も描けるし、 腹の部分を使えば、
太さや丸みを出す事が出来る。
そうした意味でも筆が好きで使ってますし、
何より使う人の可能性を引き上げてくれるものだと思います。
使うとよくわかるのですが、 筆って最初、なかなか思い通りに
使いこなせないんです。 使い続けるうちに上達しますが、
時々、予期せぬ筆の運び方によって自分の想像を超えたドローイングが
出来る時があります。
その想像を超えたものを、何より発見したいんです。
|
DJ、ビートメイカーとしての活動の場を、 日本だけではなく、
世界へと増やしていきたいです。
それによって、さらに多くの人々に自分の作品を観て聴いて
頂ければと思います。
また、ドローイングの作品の数も増やしていき、
視覚、聴覚による表現の幅を広げていきたいと思います。
|
既に新しい楽曲制作に入っていますが、
これからあらゆる刺激を吸収していき、
セカンドアルバムのベースを築いていきたいと思います。 |
最後にこの記事を見られてる方にメッセージをお願いします。 |
アルバムを聴いて、またアートワークを観て頂き、 受け取って頂いた方々それぞれの想像を楽しんで頂きたいと思います。 ありがとうございました! |
最後まで読んでいただきありがとうございます。
音楽に対して、表現する事に対して真剣に向き合っているのが、
とても良く伝わってきたのではないでしょうか?
『TURGET』の人柄やその姿勢はAlbum『WRISE』に
そのまま表現されているように思います。それはもしかすると
1st Albumだからこそできる事なのかもしれません。
しかし、自分の分身かのごとく別の形で表現し具現化するという事は
誰にでもできることではなく、非常に労力を要する事だと思います。
おそらく、このインタビューを読む前と後では音に対する印象も
違うのではないでしょうか?
違って聞こえるという事は、
それだけ思いがこめられているという事です。
人が作ったものですから、当たり前なのだと思います。
是非,
『WRISE』を聴いて『TURGET』を体感してみてください!!
Interviewer 西村サトシ
|
 |
01 INTRO
02 SHADOW
03 疾走
04 DIZZY
05 雨景-Rain-
06 NAMES
07 渦
08 STATIC
09 INFINITY
10 THE SUN
11 FEARLESS FEET
12 EXIT
2013.08.07 Release
¥2,300(Tax in) THRR-301
Thruster label |
Amazon
iTunes
OTOTOY
|
|