木箱 SAyA
木箱 西村サトシ
ヤマダサヲリ
 







 
唯一無二のストーリーテリング。札幌を拠点に活動するバンド、モノポックル
1stフルアルバム「新世界の夜明け」へ込められた思想。
彼らが生んだ"新世界"に迫ります。

INTERVIEW
2015.03.23 Takuya Miyoshi
2014.10.13 モノポックル
2013.08.29 TURGET

 LINER NOTES
2013.08.29 TURGET『WRISE
2013.08.29 木箱『hometown

FASHION
■2014.04.29 turn the page〜長い夢から目覚めたら〜
■2014.03.19 urnis×木箱コラボライブinマルヤマクラス
■2014.03.02 春に向けて
■2013.12.11 冬がやってきたの巻
■2013.10.29 はじめまして

 REVIEW
Boss Tera Echo(2013.12.25)
Roland HandSonic(2013.12.25)
  



 
PROFILE

モノポックル
北海道札幌を拠点に活動しているバンド。
モノポックルの楽曲のほとんどの作詞・作曲はVo.Gt.の大脇一起(おおわき いっき)が担当している。大脇の音楽性や価値観の中から生み出された、どこかノスタルジックな雰囲気に斬新なアプローチを重ねたサウンドが特徴である。
過去に販売した自主制作音源(1st. mini demo album「ココロドライブ」、2nd. mini demo album「ブルーフォレスト」)は通算500枚以上売り上げている。
島村楽器主催"HOTLINE JAPAN FINAL2013"において『グランプリ』『楽曲賞』『ベストボーカリスト賞』を受賞。

 「モノポックル」というバンド名の由来を教えてください

はい。はじめは、北海道のバンドということでアイヌ語を使った名前にしたいと思い、コロポックルにしようと考えていました。
ですが、それだとそのまんまなので、オリジナリティを足すために
"唯一無二の"という意味合いの『モノ』をくっつけて造語にしました。

音楽をはじめたきっかけは、どのようなものでしたか?

中学1年生の冬に、幼馴染と本格的に音楽にハマりだして、
BUMP OF CHICKENのPVを見ながらエアギターを弾いたりしていたんです(笑)。
それで、僕の両親が昔バンドをやっていてギターが家にあったので、
本当にやってみないか、ということになって始めました。

大脇さんの楽曲には、時代に囚われない斬新なエッセンスが見られますが当時、どのようなジャンルの音楽に強い影響を受けましたか?

父の影響で幼い頃からブルースやレゲエなどの洋楽を聴いていました。
中学時代はJ-POPや邦楽ロックにハマり、その後はジャズやファンク、
アコースティックな音楽なども聴くようになりました。
ジャンル関係なく、感動した時には「これ自分にも出来ないかな」
って考えていますね(笑)。



2013年12月に1stフルアルバム「新世界の夜明け」がリリースになりました。このタイトルを名付けるにあたってのイメージは?

今回のアルバムは、一曲目の「New World」から最後の「タンポポ」まで、
ひとつの物語を意識してつくりました。その中で、絵本のタイトルをつけるような感覚でこのタイトルを考えました。タイトルは、日常のふとした瞬間にある出口から、非日常の新しい世界に飛び込んで行く瞬間の血が踊るような感覚を表現したくて、このタイトルにしました。

確かに、全曲を通して「物語の経過」を感じます。

はい。一曲目「New World」の冒頭の効果音で新世界への旅立ちを
表現しています。そこから、「ラストソング」まで物語の主人公は様々な感情の変化を味わいながら新世界を旅します。
そして、「ラストソング」で最期を迎え、終わりの先にエンドロールとして
「タンポポ」があります。
そのストーリー性は、ヤマダサヲリさんにも相談しながらジャケットや歌詞カードでも表現していただきました。そこは是非皆さんに直接作品に触れて感じて
もらえたらな、と思います。



フルアルバムは今作が初ということですが、制作を決めた際の思いを聞かせてください

学生時代の最後に、今までの音楽活動の集大成をひとつ形にしたいと思いました
制作費用やスケジュールよりも、その想いに悔いを残さないということを皆で優先して、これまでの軌跡にひとつの決着をつけたかったんです。

今回レコーディングをしてみて、サウンド的にどういう点に
こだわりましたか??
     また、一番こだわった楽曲、聴き所はどこでしょう??

全体的に温かいサウンドになったと思います。
最近では音量レベルを限界ギリギリまで大きくして迫力を出すような編集の仕方が主流になってきているように感じますが、僕らは今回そうしたことよりも、全体の一体感やバランス、聴きやすさなどを重視しました。
特にこだわった楽曲として印象深いのは「ラストソング」です。
随所でギターを何本も重ねることによってシューゲイザーのような壮大な世界観を表現しています。
終盤徐々にギターの本数が増えて音圧が増してピークに達していくところは自分でも何度聴いても鳥肌が立ちます。



レコーディング本番前にプリプロを作っていると思うのですが、プリプロの必要性についてどう思いますか?

普段スタジオなどで合わせているときは、どうしても主観的に楽曲をとらえてしまうので、各パートのアレンジやバランスなどはほとんどを自分の「感覚」
の部分に頼ることになるのですが、
一度音源に落とすことによって、はじめてみんなとまったく同じ音を共有しながら客観的にとらえられるようになると思います。
楽器の音色や歌い回しなども、音源に落としてみると思っていたよりもまだまだ磨ける要素が発見できたりするので、
プリプロをして改めてその楽曲の作りこみ方について見直すことは
とても大事なことだと思います。
かくいう自分も、普段の楽曲制作やバンドとしての作りこみをほとんど「感覚」で行っているので、音源化して「分析」するということを
もっとやっていきたいと思っています。

歌詞を読んでいると、空間的(視覚的)に届くものがありますが、
  書く段階で意識していることはありますか?

ありがとうございます。
曲を作るときは、自分の中に風景や映像が浮かんでいることが多いです。
曲や詞は、その映像の中から浮かび上がってきたり、引っ張り出してきたりすることもあります。自分の中から出てきた「詞」「音」そして「映像」の
3つがひとつの世界観としてマッチしていないと、すごく違和感が残ってしまうので、言葉でも音でも、自分の中から浮かんできたものを作り変えていくのでは
なく、なるべく素材の味を活かせるようにそのまま使いたいと思っています。
自分の中に沸々と煮えたぎっている何か得体の知れない
言葉で表現できないもの(あてはまる言葉がないもの)を
歌詞だったり音だったり、あるいは映像だとか、そういったもので表現するということが自分にとって「つくる」ということのような気がします。

例えば自分の中にある「好きだ」というような気持ち(感覚)の世界観そのまんまを「好きだ」という一言で完結させることができないから、
色んな音や言葉を繋いでその世界観をそのまんまのかたちで誰かに伝えられるようにしたいと思っているんだと思います。笑

そんななかで、そうした楽曲制作のエッセンスになっている自分の世界観
(これもうまくあてはまる言葉が見つからないのですが、、笑)
の真ん中に位置するのが風景や映像なんです。
作品の原点がそうした空間的なものであることが多いので、
自分の詞からなにか映像を感じていただけるということは、
僕にとってこの上なく嬉しいことです。

「新世界の夜明け」で、最も発信したかった事は何ですか?

色んなことがぐちゃぐちゃに混ざり合っていて言葉にするのはとても難しいですが、一言にまとめると「命」になると思います。
終わりがあって、はじまりがあって、出会いがあって、別れがあって。
だからこそ、その中に必然というものや可能性というものが
無限大にあるような気がして。
そういうものの、一言にまとめると「命」の、尊さを伝えたいという
気持ちだったと思います。



今後の活動展開は?

秋には、去年JAPAN FINALでグランプリを頂いたHOTLINEのゲスト枠として何箇所か大きなステージで演奏させていただく予定です。
また、冬にもバンドで何本かライブを重ねつつ、自主企画「たそがれ音楽祭」や東京遠征なども計画しています。
また、ソロライブにも力を入れていこうと思っています。
9月末にはYAMAHAミュージックレボリューションの札幌セミファイナルにも
弾き語りで出場します。
楽曲制作も順調に進んでいるので、時期を見計らって、レコーディングもやっていきたいです。

今後の目標は?

目標は数えきれないくらいありますが、
とりあえず一生音楽やっていたいです。笑
モノポックルもずっと続けていきたい。
あとは、自分たちもバンドの音楽も良い歳の重ね方をして、
10年後20年後にかっこいいおっさんたちでかっこいいバンド
やっていたいですね。笑

最後に、読者の皆様へメッセージをお願いします。

これからずっと色褪せないであろう自信作がやっと完成しました。
自分の、自分たちの、これまでのものが全て詰まった11曲になっています。
22歳の、あの瞬間を、あのメンバーで、カタチに残すことができて本当に
よかったと、今とても実感しています。
モノポックルの記念すべき最初の1枚。
ぜひ皆さんに聴いてほしい僕らの最高傑作です!
よろしくお願いします!




【後記】

「新世界の夜明け」は、ひとつの航海なのだろう。

幕が上がり、降りるまでの、壮大な物語。
その「壮大」とは、飾られ誇張されたものではなく、
誰もがもっているもの。
普遍的な日々をゆくことが、一人一人に「壮大」なのだ、と。
今作は、そういった真理を教えてくれる。

大脇さんが心掛けている、等身大な表現。
"変えていくのではなく、なるべく素材の味を活かせるように"。
そこにリアルがあるからこそ、強く訴えかけてくるものがあるのだろう。


― さよならの果てで、また会いましょう。 ―
(M10「ラストソング」より)

この物語に、是非出会ってほしい。

たどり着くまでの景色。
もしかしたら、最果てのその先。
楽曲に宿るたくさんのシーンに、是非触れてほしい。


Interviewer ヤマダサヲリ

『新世界の夜明け』\2,000 (tax in)

【収録曲】
1. NEW WORLD
2. サラバ近未来
3. ハローハロー
4. ワンピースに身を包んで
5. フルスロットル
6. 夏の終わり
7. 交差点
8. にんげんだもの
9. ワンダーランド
10. ラストソング
11. タンポポ

モノポックル HP
http://monopockle.jimdo.com/
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